手術を受ける際に、どうしても患者さんに知っていただきたいことがあります。治療によっては、投薬や外用剤などの保存的療法、レーザー治療に代表される光線治療など、様々な薬剤や手技を駆使して、症状を軽減または改善する場合もあります。 |
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形成外科・美容外科の治療は、魔法を使って綺麗に美しくするものではありません。基本的にはメスで切ったあとの傷跡は必ず残ります。患者さんの中には、我々形成外科・美容外科医が手術をすると「傷跡が消えてなくなる」と勘違いされている方がいらっしゃいます。もちろん私たちがメスを用いて組織を切り、皮膚を丁寧に縫いあわせることにより、術後の傷跡が目立たなくなり、一見してわからないようになります。しかし、全く消えてなくなってしまうことはないのです。したがって、手術後の傷跡がどこにどの程度の範囲で残るか説明を受け十分に理解をして下さい。
手術による傷跡は、一時的に赤くなり周辺の組織も硬くなります。膨らんで盛り上がったように見える場合もあります。しかし、時間の経過と共に赤みや硬さ、さらに盛り上がりも改善し目立たなくなってきます。どの程度の期間で傷跡が目立たなくなるかは手術の部位や個人差がありますが、一般的に3〜6ヶ月程度はかかります。また場合によっては、1年以上かけてゆっくりと改善することもあります。またアルコールの摂取や入浴後、激しい運動の後に傷跡が赤く目立ってくることもあります。また、まれではありますが、肥厚性瘢痕やケロイド体質の患者さんは、赤く盛り上がった傷跡になる場合がありますので、家族で同様の症状を呈する方がいらっしゃる場合は必ず事前にお知らせ下さい。
傷跡や術後の腫れの程度にも個人差があるように、同じ手術を行っても全ての患者さんが同じ結果になるとは限りません。人間の体は、そもそも完全な左右対称ではなく、微妙にゆがみを生じていることがあります。これは異常ではなく、非対称性という要素がバランスのとれた形を形成しているのです。眼周囲の手術や鼻の手術、さらに乳房や乳頭などの手術では、左右対称にするという完璧を期することは、形成外科・美容外科では不可能です。そもそも皮膚の性状、骨格や筋肉の付き方など違うため、左右均等に仕上げることは限界があり、形成外科・美容外科では効果を完全に期待することは禁物です。
患者さんの中には、芸能人やモデルの写真を持ってこられ、同じようにしてもらいたいという希望をされる方がいらっしゃいますが、コピーや風景を正確に模写しているわけではありません。私たちは参考にはさせていただきますが、結果が全く同じになることはありません。